【幼保事業者向けイベントレポート】働き方改革や業務効率化で定着率アップってホンマなん?!vol.2
2024年7月3日(火)、VISH株式会社(本社:愛知県名古屋市、代表取締役社長:田淵 浩之)はリンクエイジ株式会社(本社:大阪府大阪市、代表取締役:藤田 俊)と合同で、幼児教育・保育業界のリーダー向けオンラインイベント「働き方改革や業務効率化で定着率アップってホンマなん?!vol.2」を開催しました。
このコミュニティは、幼保業界の未来をともに考えるために、園長やミドルリーダーの皆さまと共通する悩みを、エリアを超えて語り合ったり、議論を深めたりしたいという想いで開催しています。初開催の前回は、「処遇改善・働き方改革・ICTで業務効率化・心理的安全性への配慮など様々な取り組みをしているけど、定着率がアップしないのはどうしてだろう?」という話題から、幼保業界の理事長・園長向けトップマネジメントに関する研修や知見が不足しているという課題へ。「トップマネジメントって何だろう?」「トップマネジメントって誰が何をする話なの?」「トップリーダーが何故理念を作って浸透させなくちゃいけないのか?」といったテーマで60分楽しくも白熱した議論が展開されました。
第一回のオンラインイベントレポート:https://blog.buscatch.com/2024/05/28/13549
第二回となる今回は北島孝通先生(庄内こどもの杜幼稚園 園長)を新たな仲間に迎え、「~組織って、なんで理念がいるん? なんのために理念作るん?~」をテーマに、同業者同士だからこそできる発表・悩みの共有・議論が90分繰り広げられました。
参加者が答えを授かるのではなく「自分はどうするか?」を考える───そんなコンセプトをもとに開催している本イベントの内容をレポートします。
<執筆・編集:VISH株式会社 西尾 真吾>
■登壇者紹介
北島 孝通(学校法人庄内神社学園 幼保連携認定こども園 庄内こどもの杜幼稚園 理事長・園長)
亀山 秀郎(学校法人七松学園 認定こども園 七松幼稚園 理事長・園長)
阿部 能光(学校法人鈴蘭台学園 認定こども園いぶき幼稚園 園長)
藤田 俊(リンクエイジ株式会社 代表取締役)
西尾 真吾(VISH株式会社 執行役員)
(飛び入り現地参加)
栫井 裕矢(学校法人グリーン学園 認定こども園 安井幼稚園)
◆発表①:理念の重要性 (認定こども園いぶき幼稚園 阿部 能光 氏)
認定こども園いぶき幼稚園の阿部能光氏が、ピーター・ドラッカーのマネジメント理論やサイモン・シネックのゴールデンサークル理論を引用し、理念が組織に与える影響について具体例を交えて説明しました。トップリーダーがしっかりと定めた使命や目的、園でいう【理念】が、職員の定着率向上に不可欠であることが強調されました。
◎なんで理念が必要なん?
ピーター・ドラッカーが定義している「トップリーダーの役割(≒トップ・マネジメント)」の役割を簡単にまとめて今回のテーマに合わせると、以下のようになります。
①組織の使命や目的を考えること=今回のテーマで言うと【理念】
②働く人を生かす(幸福にする)こと=今回のテーマで言うと【定着率】
③社会に貢献すること
簡単に言うと、皆さまの園で働く先生方が、皆さまの園での仕事に意義や価値を見出し、そして皆さまの園の先生であることにやりがいを感じ、充実した日々を過ごし、幸せを感じて定着する。そのためには、トップリーダーがしっかりと定めた使命や目的、今回のテーマで言うと【理念】というのが不可欠なんだということです。
実態として「理念ってそんなに大事?」「そんなの気にしなくても、これまで現場は回っていたよ!」みたいな話もよく聞きます。なぜ、理念をしっかりと定めていなかったり浸透させてなかったり、あるいは意識していなくても、これまでの日本の教育現場はまわってきたのか。これには、日本古来の「型の教育」という文化的背景や、その影響を受けて明治期以来100年以上にわたって学校教育で行われてきた「教師主導型の教育」という歴史などが影響しているのではないかと考えています。
◎理念と保育実践にブリッジをかける ー子ども主体の保育とは?ー
今回の参加者の皆さんへの事前アンケートに「子ども主体の保育をしたい」というご意見もありました。「主体性を伸ばしたい」というねらい(教育的意図)に対して、何をすることが適当かを整理するかということについて、マーケティングコンサルタントのサイモン・シネックという方が提唱している「ゴールデンサークル理論」が参考になります。
例えば、「子どもの主体性を伸ばしたい」という目的・目標(WHY)があり、そのために「子どものやりたいことができるような環境を整えてあげるのがいいよね」というHOWを合意し、そこで「子どもたちがどんな遊びをするのか」というWHATは「無限に考えられるよね」と想定するのが、「ゴールデンサークル理論」をベースに理解していくとわかりやすいと思います。
ところが、「型の教育」や「教師主導型の教育」では、「何をするのか」というWHATが先に決められています。例えば、「跳び箱を跳ぶ」という活動が先に決められており、「でも、子どもはまだ跳べない」という課題があったとします。これに対し、「どうしたら跳べるようになるのか」という指導法のHowを考えることが教育現場でよく行われ、白熱した議論になります。ですが、その先にあるWhyについて、「じゃあ、跳び箱が跳べるようになったら、子どもの内面に何が育つのか?ねらい(教育的意図)は何か?」という質問をすると、途端に議論は沈静化してしまいます。「跳び箱が跳べるようになること」自体は目的ではありません。それをねらい(教育的意図)と呼ぶのはあまりにも浅はかです。かといって、「できるようになったら自信がつくからかなぁ…」ぐらいでは、「それなら、別に跳び箱以外の活動でもできるんじゃない?」という話になります。このように、Whatから始まる考え方では、「Why抜きで、WhatとHowの間を往復をしているだけ」に陥ってしまい、広がりや深まりが生まれにくくなってしまうことがよく起きます。
しかし、このような状態が日本では100年以上にわたって学校現場で続いており、その影響で「タブレットとかパソコンとかを早いうちから触らせてICTに慣れている方が、なんとなく子どもの人生、先々有利になるんじゃないか」や「漢字とか平仮名とか数字を、小学校に進級する前よりも早くから始めといたら、なんとなく人生が良くなりそう…」というような、日本人独特の思考や教育観がまん延することになったのではないかと考察しています。
◆発表②:基本理念の再定義 (認定こども園 七松幼稚園 亀山 秀郎 氏)
続いて、認定こども園七松幼稚園の亀山秀郎氏が、園内での基本理念の再定義について発表しました。理念を共有することで職員や保護者に対する対応がスムーズになることが示されました。理念は「終わり」ではなく、「立ち戻る」ためのものであり、常にブラッシュアップする必要があると述べました。
◎理念が必要な理由
「なぜ基本理念が必要なのか?」という視点で改めてスライドにしますと、「みんなが迷子にならないように必要である」と、例えば「ドキュメンテーションは何でやっているの?」とか「何故、このカリキュラムをやっているのか?」という時に、とても必要になってくるもの。
法人の運営をすること・新しいカリキュラム・行事を取り入れる時、違う方向に行ってしまった際に、立ち戻って基本理念をベースに考えた時に、「こうやった方がいいよね」「この行事をどういうふうに運営した方がいいのかな」という時に修正しやすい。
理念は終わりではなく、「立ち戻る」ものです。時代と共に変わり続けるものであり、作ったから終わりではなく、常にブラッシュアップしていかなければならないものです。
◎基本理念は法人としての家訓・大黒柱のようなもの
基本理念があると、どんなものが生まれるか?二つ例にしてみます。まずは「職員の行動指針」です。「ゴールデンサークル理論」でいうどういう目標(WHY)でやっていこうかということに対して、職員がその方向性に向かう際に、どんなことを具体的なものを作っていくかという行動指針になる。
また、園外の人たちにメッセージ「ショルダーフレーズ」が生まれてくる。ローソンさんは「マチのほっとステーション」、日立さんであれば「Inspire the Next」ですよね。職員は保護者や外部の人に「なんでこういう手法で保育をやっているのですか?」と聞かれた際に「こういう理念のもとでやっているんですよ」と自然に言えるようになるんです。
◎「基本理念」を明文化・再構築した理由
当園は、認定こども園化のタイミングに再構築しました。「保育の在り方」も変化し、職員で「基本理念を明文化しよう」「職員同士で指標を作った方がいいよ」ということになりました。まさに「職員の中から意見をまとめること」というのを大切にし、当法人の職員たちが考えてくれました。
その職員の考え方を尊重して、「どんな教育・保育が必要なのか?」「そもそもなんでこれやっていたの?」と、幼児教育・保育について話し合った。理事長・園長である私は、あまり口出しをせず、「見守り役」として関わって作り上げたのが、現在の基本理念です。
法人基本理念:http://nanatsumatsu.com/engaiyo.html#section2
◆ディスカッション①
庄内こどもの杜幼稚園の北島孝通氏が、登壇者や参加者の質問・意見を踏まえたうえで、自身の考えを具体例を交えて発表しました。参加者間での意見交換では、理念の浸透方法や、職員を巻き込むための具体的なアプローチが議論されました。
◎今の世代は「何の意味があるの?」が大事
すごく子どもの人数が減ってきたりするこの時代に、「やっぱり軸(理念)とかいるよね」と15年くらい前から私は考えはじめました。軸(理念)を考えはじめて、今は「便利だな」「あった方がいいな」と思っています。それはまず職員の定着がしやすくなったなと感じています。
今の世代の新任職員たちを、どう皆さん評価していらっしゃいますか?私は「意味がわかれば残る」です。要するに「意味のあることはしたいけど、意味ないことはしたくないな」というのが結構あります。「これをやることは何の意味があるの?」というところが大事で、「園はこういうところが大事だし、こういうところに意味があるよ」、と伝えてあげるのが必要です。
◎主体的な姿を、現場の先生が見せてくれていますか?
まず「主体的な姿とは、具体的に○○な姿です」と新任の先生や保護者に、具体的に言える言葉を持っているか?というところが大事かなと思っています。次に「その具体的な主体的な姿を、現場の先生が見せてくれますか?」。例えば「主体的に子どもが意見をどんどん出して、やりたいことをやらせたい」と言っている場合、それを導く先生たち自身がそうなっているかということですよね。私は、先生がそういう姿を見せてなかったら、子どもに主体性を教えることはできないと思っているので、まずはそれを実行できているかどうかがポイントだと思っています。
「主体的な姿になっていくには、具体的にどうすればいい」とトップリーダーが伝えられますか?このあたりは、マネジメント育成の部分もあるかもしれないですけど、例えば現場の先生が「意見がまとまりません」とか「意見が出るけど、どういうふうにまとめるかがわからない」という時に、トップリーダーが「こういう風に話したらいいんじゃないの」とか、多少のHow toは知っていないといけないかなと思います。
「意見が出ない時はどうしたらいいか」、「意見出すぎるときにはどうまとめていいか」、「どういうふうに合意形成するか」、「創造性をどう膨らますか」っていうHow toがやっぱりいるかな。というのは子どもの主体性の話だけではなく、大人のミーティングも一緒だというのがわかりますよね。
◎ボトムアップという組織や、ミドルリーダーは自然発生的には生まれない
「ボトムアップできる組織や、ミドルリーダーは自然発生的には生まれない」というのは、当園もそうでした。勝手に生まれる組織は見たことがありません。まずは「心理的安全性を作る」ことからです。心理的安全性というのは、カンタンに一言で言うと「何を言ってもハブられない」という前提です。
次は「ファシリテーティブ」な関わりをするということで、これが私は一番大事かなと思っています。「現場の先生の意見を否定的に捉えない」とか、「ちゃんと意見を整理してまとめてあげる」とか、「曖昧な意見を分解してあげる」「意見と意見を繋いであげる」「これってこう合わせるとこうじゃないの?」って気づかせてあげるっていう関わりというのはとても大切です。
◎職員に「変わりたいという意志を持ってもらうよう、気づかせる」
ここの「変わりたいという意志を持ってもらうよう、気づかせる」というのを太字にしたのは、「変われ!」では、人は変わらない。「私、変わりたいわ!」って自分で思えるようにするのが、一番大事かなと思っています。「変わりたい!」と思った瞬間、もうほっといても学んでくれる。どんな研修に行っても学び吸収してくれる。ですので「変わりたいという意志を持ってもらうよう、気づかせる」ために、さりげなく他園を見学させるとか、トップリーダーと関係性が良ければ「先生ここは良いけど、このここをもっと領域に絡めて言ったらいいんじゃない」とか「ここがこうなってくれると、とても嬉しいんだけどな」とか「こういう風に子どもたちに言ってくれると、もっと良くなってくると思うんだけど」とか「保護者にこういうことを言うと、わかりやすいんじゃない」とダイレクトに伝える。
◆ディスカッション②
庄内こどもの杜幼稚園の北島孝通氏が、登壇者や参加者の質問・意見を踏まえたうえで、自身の考えを具体例を交えて発表しました。参加者間での意見交換では、理念の浸透方法や、職員を巻き込むための具体的なアプローチが議論されました。
◎今の世代は「何の意味があるの?」が大事
西尾:でも「人を変えるのが難しい」と思った時に、私はルールとかトップダウンで縛ろうと考えてしまいがちです。それが理念ベースでありつつ、今の話じゃないですけど、どうやって浸透させていくかということ以外に、どうやって巻き込んで変えて行くのかというところが、私は少しヒントをいただいたかなと思います。ここが参加者の皆さまも難しいんじゃないかなと。
藤田:前回のアンケートでも、そのあたりの質問もたくさんいただいていましたよね。亀山先生のところでは、仕掛けとかされていらっしゃいますか?
亀山先生:毎回浸透させたり、そうさせるためには、毎回ミドルリーダー研修から、そこで出てきた課題に対して、法人研修をしたり、ミドルリーダーのみんなから研修をしてもらったりというカタチにしています。あとは、再構築した理念を作ってくれたメンバーが、一年目を中心として理念研修っていうのを別で実施したり。理念研修だけで一時間確保したり。
北島先生:パッと思いついた当園の一つの事例での、例えば幼稚園は保護者に対して入園説明会をしますよね。この入園説明は、保護者はもちろん聞いているけど、当園の職員は聞いているかなとふと思いました。毎年入園説明会は、自分なりにバージョンアップというかちょっとずつ内容や言い方を変えているんですけど。「あっ、当園の職員は聞いてないわ、聞いているのはリーダーとお手伝いしている職員だけや」なって気付きました。
最近コロナで便利になったから、オンライン動画とか自分で作れるので、毎年新任の先生には、それ見てレポートを書いてくださいねと言っています。デジタルで共有できるのは便利だし、一石三鳥じゃないけど、それを職員に「これ見せるけどいい?」と事前に確認したり。
ユニクロ代表取締役会の柳井 正(やない ただし)さんが、年度当初にリーダー自らが経営方針を語るって言うのを聞いて、「生の肉声でちゃんと語る」のも絶対ポイントだし、やらなきゃいけないと思って、私はスタートアップの研修の時に、一時間は絶対私の話を最初にやるっていうのは続けています。ベテラン職員には「新任の先生が聞いて分かるように言うね」って言いながら、心の中では「リーダーたちこそ聞いておいて」と正直思っています。
藤田:毎年大きく内容は変わらないけれど、マイナーチェンジはもちろんあると。
北島先生:ちょっとずつやり出しました。去年か一昨年ぐらいから。それまで、そのスライドも毎年どっちかというと、最近の保育業界のトピックばかりだったんです。でも、だんだん違うなぁ、これは後でも伝えられると思って。当園は「今年はこうこうこういうことを目標に行います」としています。来年またアレンジしようと思うんですけど、全職員参加なのでそれを、手を変え、品を変え、何回も何回も私の肉声で発信する機会をもたないといけないかなと考えています。年に二回やるので、何度も何度もやっぱりちゃんと言うというのは、きちんとしないといけないのかなと最近思い直しています。
藤田:確かに入園説明会って、気になって私も何回か何園か行ったことがありますけど、園によって全然発信内容って違いますし、第三者として聞いていたら、保護者に言っているようで先生方に言っているなというのが、ひしひしと感じる園もやっぱりあったりしますね。
北島先生:確かに職員が見ていてくれたらね。最近、保育所も認定こども園もローテーションで動くようになったから、全職員集まる機会も本当に少ないので。ちょっと工夫がいるかなと最近思っています。
藤田:バシッと言い切られたりとか、熱量のこもっている園。これは数字をとっているわけでもないですけど、保護者さんとの関係値がいい印象があります。
◆ディスカッション③
西尾:そこの接触はとても大事だなと思っていて、今当社はどうやってMVVや理念を伝えていこうかなという中で、幼稚園さん・保育園さんには合わないかもしれませんが、当社は広報の社員がいるので、Web社内報をやり始めました。その中でなるべく理念をさりげなく混ぜ込みながら、浸透させていくみたいなことをやっていますけど、やっぱり、どうしても一回決めたら、掲げただけになってしまわないように、いかにいろんな画面で浸透させていくかっていうのが、まだ始まったばっかりですけど、頑張ります。
北島先生:最近当園がInstagramをはじめた話をしましたが、前々からブログもやっているんです。保護者に対して書いているんですが、意外に職員たちも見ているんですよ。私自身の目線や考え方を伝えるツールとして活用しています。これも一石三鳥、四鳥なのですが、自分自身がブログとかInstagramとかを書くことで、意外と間接的に「伝えるツール」となって、それが職員に伝わりその言葉をドキュメンテーションやポートフォリオに載せてくれたらありがたいなと思っています。
当園は学期ごとにクラス懇談をするのですが、基本的にはクラス懇談計画用紙を用意して、クラスの子どもの育ち・ねらい・こういうことで一年育って欲しいということを時系列で書けるようにしてあるんです。それを最近の若い子はすごいんですけど、Canvaというデザインツールを使って動画を編集して保護者に説明してくれるので、クラス懇談の時期にある園長懇談は時間的に無くなりました。
そういう事前の準備のところで、書くことで整理ができたりとかいう、「伝える」ツールの活用方法はあるのではないかなと思っています。他にも、日週月案には、必ず「子どもの姿」があって、その次に「何が育ったかを考察」して、それをふまえてねらいを書く。そこさえ合っていれば、ある程度、軸や枠は当然ありますが、後は何をしてもいいかなと考えています。
学年の話をする時も、ねらいの合意さえとれていれば、あとは職員自身が話したいことを話していいよとしています。「クラス懇談はどういう風にやりましょう?」とか「お母さんとの関わり方どうしましょう?」とか話し合いの内容が変わりつつありますね。
藤田:それらで悩んだときに、「理念はこうだから」っていうのが、ちょっとした仕掛けとしてあるだけで、大きく変わっていくかもしれないですね。
北島先生:困っている時ほど、「僕はこう思うけど」という理念に関する話が入るんじゃないかな。年中の会議で、今くらいの時期、「意見は出るけど、まとまらないです」と問題をあげていました。私は「年中の今の時期、話し合いは合意の方法を学ぶ時期だと思っているから、先生は徹底的に意見を拾って、合意の方法をたくさん教えてあげて」、「話し合いが保育者主導なのを躊躇しなくていいよ」、「その経験が年長に繋がるから」と伝えたところです。すると「わかりました!」といっていました。なんていうことを、最近の会議でありました。
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◆執筆者・西尾のまとめ
今回のイベントでは、理念の重要性や具体的な実践方法についての議論が深まりました。参加者の皆さまは、理念が単なるスローガンではなく、組織の基盤となるものであり、職員の定着率向上や園運営の質の向上に直結することを再認識できたのではないでしょうか?特に、ピーター・ドラッカーやサイモン・シネックの理論を引用し、具体的な実践例を交えた発表は、多くの気づきをいただきました。
イベントを通じて、参加者は自園の理念を見直し、職員と共有する重要性を理解しました。また、他の園のリーダーたちと意見交換をすることで、新たな視点や具体的なアプローチを学ぶ機会となりました。特に、理念の浸透においては、心理的安全性を確保し、職員が主体的に関与することが重要であると確認されました。
また、ディスカッションでは、理念の浸透方法や職員の巻き込み方について具体的なアイデアが多く共有されました。例えば、社内報やブログ、SNSを活用して理念を日常的に発信する方法や、保護者向け説明会やドキュメンテーションを通じて理念を職員に浸透させる工夫が紹介されました。これにより、参加者は自園での実践に向けた具体的なステップを得ることができました。
このコミュニティイベントを定期的に開催することで、幼児教育・保育業界のリーダーたちが互いに学び合い、業界全体の発展に寄与することが期待されます。VISH株式会社・リンクエイジ株式会社としても、今後もこうした取り組みを通じて、幼保業界の発展に貢献していく所存です。
余談:このイベントレポートを作成する際、実際のイベント内容を文字起こししました。その結果、レポートの本文よりも4倍以上のボリュームがありました。レポートには収めきれない熱く楽しい議論がたくさん行われています。幼児教育・保育業界の園長・ミドルリーダーの皆様、ぜひ次回のイベントにご参加ください。
◆次回オンラインイベントは9月4日(水)開催予定!
本コミュニティ「働き方改革や業務効率化で定着率アップってホンマなん?!」は、2024年度内に全3・4回の開催を予定しています。
次回の開催は2024年9月4日(水)を予定しています。詳細は改めてお知らせいたします
次回イベントは2024年9月4日(水)を予定しておりましたが、企画が間に合わないため、延期させていただくこととなりました。
ご検討いただいておりました皆様には、ご迷惑をおかけし大変申し訳ございません。延期後の日程につきましては、決まり次第、追ってご連絡させていただく予定です。何卒ご理解のほどよろしくお願いいたします。(2024年8月20日 VISH株式会社)
■主催会社/VISH株式会社について
VISH株式会社は、日本の真ん中・愛知県名古屋市からインターネットを活用し、皆さまの想い(Vision)を共有(Share)するクラウドサービスの開発・提供を行っています。2010年にリリースした「園支援システム+バスキャッチ」は、園バス運行情報、園児管理を中心に、保護者の連絡手段のデジタル化、教職員の働き方改革に寄与する低価格なクラウドサービスで、2024年4月1日時点で、全国約2,500の施設で利用されています(解約・閉園除く)。
VISH株式会社 https://www.vish.co.jp/
「園支援システム+バスキャッチ」 https://www.buscatch.com/solution/kindergarten/
■主催会社/リンクエイジ株式会社について
リンクエイジ株式会社は、インターネット写真サービス「memoridge」を運営しています。教育機関を中心にスポーツ団体や、さまざまなイベントの写真や動画撮影、インターネット上での販売を行うサービスです。現在は延べ全国1,700団体以上の導入実績があります。2021年10月には新サービス「memoridge drive(メモリッジドライブ)」を開始いたしました。「全ての愛を力に変える」をミッションに写真1枚から、愛情を増幅させ、世の中に変わらない愛の循環を生んでいきたい。そして、その愛はきっと明日を生きる力に変わる。そんな愛ある会社を目指しております。
リンクエイジ株式会社 https://www.lage.co.jp/
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