地域の祭礼をデジタルで支える──挙母祭りで「バスキャッチライト」活用、山車の位置をオンラインで“見える化”
挙母祭り保存会と連携し、運営の効率化と観覧体験の向上を両立。地域文化の継承をデジタルで支援。
VISH株式会社(本社:愛知県名古屋市、代表取締役:田淵 浩之)は、2025年10月18日(土)〜19日(日)に愛知県豊田市で開催される伝統行事「挙母(ころも)祭り」にて、車両位置情報配信サービス「バスキャッチライト」が活用されることをお知らせします。
保存会のメンバーをはじめ、宅配業者やタクシー事業者など地域インフラを支える人々、そして来訪者など、地域に関わる多くの人々が利用。挙母祭り公式HPから誰でも簡単に利用でき、山車(だし)の位置をオンラインで共有。運営の効率化と観覧体験の向上を実現し、地域全体の連携を支えています。

導入を機に進んだ、山車巡行の“見える化”
挙母祭りでの「バスキャッチライト」導入は、豊田市との会話をきっかけに生まれました。
豊田市では、地域の公共交通「おいでんバス」にバスキャッチを導入しており、交通政策課担当者との打ち合わせの中で生まれた「山車の位置も見られたら面白いですね」という一言が、この取り組みの出発点となりました。
その後、担当者の紹介を通じて協議が進み、初の試みとして山車の位置情報配信が実現。
導入当初は、配送業者から「山車の巡行で通行できない」「荷物を予定どおり届けにくい」といった声も寄せられましたが、オンライン上で山車の位置を確認できる仕組みを案内することで、現在ではこうした問い合わせも解消されています。
現在も、紙の掲示や口頭での案内に頼らず、オンラインで位置を共有する“デジタル案内体制”が続いています。

挙母祭りの山車曳き回しの様子(写真左から旧本町・喜多町・神明町の山車)
オンラインで山車の位置をリアルタイム共有
VISH株式会社が提供する「バスキャッチライト」では、山車に設置したスマートフォンから位置情報を発信し、オンラインマップ上で現在地をリアルタイムに表示します。
来場者や関係者は、専用URLまたはQRコードからアクセスするだけで、どの山車がどこを巡行しているのかをオンラインで確認できます。
本システムの活用により、挙母祭り保存会による案内業務が効率化。
また、配送業者や地域住民など、周辺で活動する人々にとっても巡行ルートの把握が容易になり、通行や業務の計画に役立てられています。
VISH株式会社では、こうした技術を通じて地域の祭礼運営を支援し、現場の課題解決と観覧体験の向上の両立を目指しています。
さらに今年は、10月18日(土)に特製うちわ(1,000枚)を会場付近で配布。
表面には祭りの掛け声「おぃさー」をデザインし、裏面には位置情報マップへのQRコードを掲載しました。VISH株式会社が提供するオンラインマップへのアクセスを促すツールとして、来場者が手に取って参加できるデジタル導線を展開しています。

挙母祭りにおけるバスキャッチライトの画面イメージ

特製うちわイメージ:「おぃさー」とは、挙母祭りで山車を曳く際に担ぎ手たちが声を合わせて叫ぶ掛け声。祭りの熱気と一体感を象徴する言葉として親しまれています。
保存会の声:現場で感じた、デジタル化の効果
挙母祭り保存会の那須氏は、バスキャッチライトの導入効果について次のように話します。
導入して大変助かったのは、保存会メンバーが同時に位置情報を共有できるようになり、事前に細かく指示や連絡をしなくても各自が地図を見て動けるようになったことです。
運営の調整がぐっと楽になり、来場者への案内でも“山車が今どこを通っているか”をスマホひとつで簡単に伝えられるようになって便利になりました。
今では、仕事や家庭の事情などで参加できなかった人も会場外から巡行を見て参加していた頃を思い出せるようになり、アクセスするだけで祭りに参加できる──そんな新しい楽しみ方を見つけてもらえたらと思います。
那須氏はまた、「こうした仕組みがもっと広く認知されて活用されていけばいい」と語り、祭り運営におけるデジタル活用の可能性を感じているといいます。

挙母祭り保存会 那須与一様(前列左)と旧本町の皆様:2025年撮影
地域の文化と運営を“つなぐ”技術として
VISH株式会社は、「バスキャッチライト」を通じて、地域の交通・運行・イベント運営など、現場での”いま知りたい情報”を誰もが簡単に共有できる仕組みづくりを進めています。
今回のように、地域の文化や伝統行事の運営にデジタル技術をご活用いただく事例は、私たちにとっても大変意義深いものです。
人と人、地域と地域をつなぐ情報基盤として、今後もさまざまな現場での活用を支援してまいります。
挙母祭りについて
挙母祭りは、愛知県豊田市の挙母神社の例祭として江戸時代から続く、300年以上の歴史を誇る伝統行事です。
豊田市の市街地を、八輌の豪華絢爛な山車(だし)が紙吹雪を舞わせながら勇壮かつ華麗に曳き回される様子が最大のみどころです。土曜日は市内各所を巡行し、日曜日には挙母神社へ集結します。
「おいさー」という勇壮な掛け声が響き渡り、地域が一体となって秋の豊穣と町の安寧を祈願します。
挙母祭り 公式サイト:https://koromomatsuri.com/