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【セミナーレポート】アフターコロナ時代、園はどうなる!?

7/7(火)に開催したオンラインセミナーのレポートをお届けします!

おうちえんで初めて開催するZoomオンラインセミナー。全国各地からご参加くださったみなさまに、改めて御礼申し上げます。

緊急事態宣言の解除から約1ヶ月。社会は日常を取り戻しつつありますが、いまだ感染拡大のリスクがあることに変わりはありません。「ウィズコロナ」という新しい時代を生きなくてはならない今、園はどのように進化していけばよいのでしょうか。セミナーでは、3名の園経営者とICTで園を支える2社から、さまざまな知見が語られました。

※セミナー動画をご覧いただけます。

コロナ後、園として、縁を大事により良い園(縁)を育むためにーー静岡県 南八幡幼稚園  副園長 松本幸真氏

※登壇資料はこちらから閲覧していただけます。

●コロナ禍の保育
松本副園長がコロナ禍の自主登園中にもっとも力を注いでいたのが、保護者や園児の気持ちが園から離れないためのさまざまな施策でした。

保護者の不安を解消するために実行していたのが、スケジュールを早めに計画・決定し、メールで常に最新情報を発信し続けることでした。さらに、子どもたちが登園を楽しみに待てるよう、制作キットを配布したり、インスタライブやYouTubeなどで動画を配信したりしたそうです。子どもたちに特に人気だったのが、バスキャッチのアンケート機能を使った「クイズ」。なんと園児全員が回答してくれたとのことでした。

図1

コロナ感染拡大の第一派で、日頃の準備がとても大切だと痛感したという松本副園長。この経験を今後の危機管理にも生かしていきたい、とおっしゃっていました。

●コロナ禍の園児募集
南八幡幼稚園では、イベントなどに訪れた未就園児をバスキャッチの名簿機能で管理しているそうです。自主登園中は、未就園児にも在園児と同じ動画やクイズのサービスを提供することで、園との心の距離を縮める工夫をしていました。

大人数が集まる説明会を開催できない今、ホームページ上で園の様子を動画配信したり、Zoom説明会を開催したりすることで情報を発信する予定だそうです。ただ、最終的には実際に園を見て入園を決めていただきたい、という松本副園長。一度に大人数が集まれない分、少人数に対して丁寧に思いを伝えるチャンスでもあるので、この状況をポジティブにとらえていきたいと語りました。

●これからの園経営について
「昔から大切にしてきた『ふれあい』をやめたら、南八幡幼稚園らしさがなくなってしまう」と松本副園長。変えたくないものを守るために、情報発信の仕方・危機管理マニュアルの強化など、必要なことは積極的に変えていきたい、と語ります。今年かたちを変えて実施する行事の一つが、年長さんのお泊まり保育です。今年は13:00~19:00のハーフナイト保育とし、1年生になってから、お泊まり保育を実施するということでした。「かたちを変えて、さらに良くなったね」と思ってもらえるように、これからも模索してきたいということでした。

コロナ禍の職員採用と園児募集ーー埼玉県 あだちみどり幼稚園・あだちみどり保育園 理事長 大熊啓太氏

※登壇資料はこちらから閲覧していただけます。

●職員採用について
これまでは合同就職説明会・フェア・人材紹介などを通して職員採用を進めてきたという大熊理事長。コロナ禍で人が集まるイベントが軒並み中止・延期になるなか、現在、オンラインを活用した人材採用の準備を進めているそうです。

施策のひとつが、動画で園の様子を紹介するWeb説明会です。プロが動画を作るのではなく、現場の先生が同士がインタビューし合ったり、自分が学生時代に知りたかったことなどを素直に伝えたりすることで、できる限り「ありのまま」の姿を見せたいということでした。現場の先生の手で撮影することで、園のリアルな様子が伝わり、入社後のミスマッチを減らせるのではないか、と大熊理事長は語ります。

●園児募集について
あだちみどり幼稚園は、未就園児教室からの入園がほとんどですが、今年度は未就園児教室を開催できていません。そこで、園児募集にも動画を活用し、園に来なくても保育見学ができるようにしていく予定だそうです。保育の良さ、またコロナ禍での感染防止策などもしっかり見ていただいくことで、入園を考えてくれている保護者の皆さんにも、ぜひ安心していただきたいということでした。

●コロナ禍での保育
最後に、大熊理事長はコロナ禍での保育の工夫についてお話ししてくれました。消毒やできる限りのソーシャルディスタンシングのほか、日々の活動や行事は延期・分散などをしながら実施していく予定だということです。

図2

コロナだから「やらない」ではなく、本来の目的を見据え、より本質的な保育や行事の内容へ進化させていく必要があるという大熊理事長。そのためにICTをうまく活用していくことが重要だと語ります。今後は日々の保育や行事などを動画でライブ配信していくことなども考えているそうです。

アフターコロナ時代、園はどうなるーー福井県 さみどり幼稚園 園長 徳本達之氏

※登壇資料はこちらから閲覧していただけます。

ウィズコロナの今、園の危機管理能力や即応力。説明能力・ICT対応力が問われている、と徳本園長は語ります。

図3

とくにウィズコロナ・アフターコロナの園運営では、ICTをいかにうまく活用するかが鍵となる、という徳本園長。

ICTは保護者とのコミュニケーションや園児募集、職員採用などさまざまなことに活用できますが、アイデアを生み出し、実行するのは園自身です。「デジタル技術をどう活用するのかの着想力・構築力をしっかりと身につけていく必要がある」と徳本園長は強調しました。

ICTの導入には高額なコストがかかるイメージがあるかもしれませんが、今は低価格、かつ手間をかけることなくすぐに利用できるサービスが増えています。「日々の技術の進化にもアンテナを張り、浦島太郎にならないようにすることが園の経営者に求められている」と徳本園長は締めくくりました。

ウィズコロナの採用・園児募集ーー(株)スマートエデュケーション 代表取締役社長 池谷大吾

※登壇資料はこちらから閲覧していただけます。

コロナ禍で日本の教育のオンライン化が非常に遅れていることが浮き彫りになりました。「子どもたちに教育を受けさせることができないのは、我々大人の責任だ」と池谷は語ります。コロナ感染拡大が深刻化する3月末に、複数の園から「保育できなくて困っている」という相談を受け、スマートエデュケーションは2週間でおうちえんを開発しました。

サービスを利用していただくなかで、現場の先生方が楽しみながら動画を配信されている姿に感銘を受けたという池谷。コロナが収束するであろう6月にはサービスを廃止する予定でしたが、「これからも続けていきたい」という園さんからのご要望により、ライブ配信などの機能を大幅に追加し、おうちえんのサービスを継続していくことを決めました。

図4

追加機能のひとつが「Web説明会」機能です。今回、月額980円の有料プランに含まれる「Web説明会」機能について、ご紹介させていただきました。「Web説明会」機能の詳細については、こちらの記事をご参照ください。

今回登壇いただいた、あだちみどり幼稚園さんの採用ページは、この「Web説明会」機能を利用しています。

with / afterコロナ×職員採用 学生のハートをキャッチする!ーーVISH(株)バスキャッチ企画営業担当 西尾真吾氏

※登壇資料はこちらから閲覧していただけます。

バスキャッチは、園の先生方の日常業務の負担を軽減するためのさまざまなサービスを提供しています。今回は、コロナ禍での職員採用に便利に活用できるバスキャッチの機能について紹介してくれました。

新型コロナウィルスによって、想像していた以上の勢いでデジタル化が加速しています。緊急事態が解除されたからといって、コロナ以前に戻る方法を探るのではなく、新しい方法を考えていくことが重要だ、と西尾氏。VISH社でも、最近、採用の全てのプロセスをすべてオンラインで実施して入社に至った社員の方がいるそうです。これまでは、面接に足を運ばなくてはならないということで敬遠されがちだった遠隔地の人材も採用の候補になるという新しい可能性を感じたと西尾氏は語ります。

さて、職員採用で重要なことは、候補者に継続的にアプローチし続け、入園意欲をあげることです。現状ではほとんどの園が、この継続的アプローチができてないのではないかと、と西尾氏は語ります。

そこで活用できるのが、バスキャッチのステップメール機能です。ステップメール機能を使えば、資料請求・説明会申し込み・説明会参加後など、さまざまなタイミングで登録した候補者に、予定したストーリーで継続的にメールを送ることができます。

図5

動画やSNSなどを活用し、1年中いつでも採用活動・広報活動を行うこと、またどこからでも園の情報をキャッチでき、説明会や面接などに参加できるような体制を整えていくことが、これからますます重要になっていきます。徳本園長も語ったように、コストをかけずにICTをいかに便利に活用するかの着想力・構築力が求められています。

まとめ

未曾有の事態にある今、ピンチをチャンスに変え、前向きに取り組まれている登壇者の皆さんのお話は、いろいろなことに迷いながら保育を進めている先生方に勇気を与えてくれたのではないでしょうか。時間と距離の壁を乗り越える便利な道具であるICTを有効活用した新しい保育や園経営が、これからどんどん生まれてくるといいですね。

おうちえんは今後も、オンラインセミナーを企画する予定です。ぜひ、お楽しみに!

(文・大澤香織)

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